エンバーミング

エンバーミングとは

エンバーミングとは、専門の資格をもったエンバーマーによって遺体を消毒や保存処理、また必要に応じて修復することで長期保存を可能にする技法です。日本語では遺体衛生保全といいます。土葬が基本の北米等では、遺体から感染症が蔓延することを防止する目的もあります。火葬が主流の日本でも近年注目されるようになりました。

遺体の長期保存が可能となる

日本ではまだ技術的にエンバーミングは完成していないといえますが、防腐剤の注入などを丁寧に行えば遺体保存について2週間程度はできます。

時間的な猶予ができるため、故人の遺志や遺族の想いを反映した葬儀の準備が行えるようになります。
また、事故や災害、皮膚がんなどでの激しい損傷の修復や、病気などでやつれてしまった姿から、より健康だった生前の故人の姿に近づけることができます。

エンバーミングの歴史

死者を生前のままの姿で保存したいという願いは古くからあり、その起源は古代エジプトといわれていますが、今日のエンバーミングの歴史は、アメリカで南北戦争時代に始まりました。

南北戦争での戦死者を故郷に送るためにエンバーミングを行ったことで、その技術が広まったのです。

第16代大統領のリンカーンや、第35代大統領のジョン・F・ケネディをはじめ、マリリン・モンローやマイケル・ジャクソンなどアメリカを代表する著名人もエンバーミングを行っています。

一方、日本では1988年に導入されて以来、年々利用者は増えています。一般社団法人日本遺体衛生保全協会(IFSA)が中心となって、日本でのエンバーミングの実施や普及に努めています。

近年では、メディアなどで取り上げられることも多くなり、施術場所となるエンバーミングセンタ―も増えてきてはいますが、まだまだ少ない状況です。なお、料金に関しては、導入初期と比べるとかなり安くなってきています。

最近では、お葬式のプランの中に取り入れている葬儀社もあるようです。

エンバーミングを行う目的

エンバーミングの目的は、次の通りとなります。

遺体の腐敗防止

遺体は死後直後から腐敗が始まります。そのため、腐敗をしないよう、薬剤で防止をします。
腐敗を防止することで、腐敗による匂いも防ぐことができます。

遺体の消毒・殺菌

遺体の腐敗による感染症の拡大を防止するために、消毒・殺菌を行います。
これは、遺族や関係者に対してだけでなく、遺体を取り扱う医師や看護師などへの感染を防ぐことを目的としています。

遺体の修復・化粧

遺体の傷の修復やお化粧を施します。
ご遺族にとって、生前の様なお顔やお姿で故人と最期のお別れができることはとても大切なことです。

故人とのお別れを存分にとれる

消毒・殺菌をすることにより、感染症など衛生面の心配がなく、お別れの時をゆっくりと過ごせます。
冷たいドライアイスを載せることが不要になるため、触れたときの冷たさや違和感が軽減できるほか、お気に入りの服を着せたりすることもできます。
また、国内の長距離移動や国外へ搬送する際にもエンバーミングを施す必要があります。

エンバーミングのメリット・デメリット

メリット

エンバーミングは病気でほほがこけて生前とは全く違うお顔になってしまったという場合や、事故で傷を負ったという場合などにも、生前のお顔に近くしてくれるというメリットがあります。

大切な方の変わり果てた姿など、お子さんなどにみせる事が出来ない・・という場合でも、エンバーミングを行うことで、お別れさせてあげることができます。

ご遺体の血液を防腐剤と入れ替える作業を行うので、ご遺体からの感染症リスクをかなり軽減できます。

何らかの理由があり葬儀ができないという場合や、海外の親族の帰国を待ちたいという場合でも安心です。

エンバーミングで防腐処理を施したご遺体は腐敗が少なくなるので、ドライアイスを利用する必要がありません。

衛生的にまたドライアイスの必要もなくご遺体を保存できるので、ご遺体に触れたり、一緒に過ごすというときでも安心です。
好きなお洋服を着せたりすることもできます。

デメリット

エンバーミング最大のデメリットといえば、やはり費用がかかるという点です。
ご遺体にメスを入れることになるという事もご遺族としては辛い事であり、デメリットと考える方もいますが、費用が20万前後プラスご遺体の移動費がかかるなど、費用面に大きなデメリットがあります。

現在の日本ではご遺体にエンバーミングを施せる施設が少ないので、施設までが遠いという事でてきます。
そのため、移動費用が大きくかかるという事も念頭に入れて依頼する事が必要なのです。

エンバーミングの手順

日本でのエンバーミングとは、エンバーマーと呼ばれるIFSA(一般社団法人 日本遺体衛生保全協会)のエンバーマーライセンスを持ったの技術者によって行われ、手順は次の通りとなります。
所要時間は3~4時間です。

①脱衣・洗浄

服を脱がせ、全身を確認し、損傷部位がないかを調べます。同時に包帯やガーゼ等も取り除きます、そして着衣を取った後は局部を布等で被います。

全身をスプレーで体表に付着している微生物や細菌を消毒殺菌や洗浄し、洗髪を行ないます。

鼻腔や口腔、その他の体腔内にすでに脱脂綿等詰められている場合は取り除き、消毒薬とコットンを用いて慎重に殺菌洗浄を行います。

髭を剃る、表情を整えるなどの処理を行います。

②衛生保全

皮膚を小さく切開し、体表近くの動脈と静脈を確認します。

動脈にはエンバーミングマシーンからの注入管を繋ぎ、静脈には排出管を繋ぎます。

動脈より防腐溶液の注入を開始します。同時に静脈よりし血液の排泄を開始します。

メチルアルコール、ホルマリンなどの防腐固定液を全身に行き渡らせるため、マッサージをしながら注入します。この防腐固定液には色素などが配合され、遺体の表情に赤みを与えます。

体腔の一部を小さく切開し、内容物を排出し、防腐液を注入します。体腔とは、体の内部にある空洞のことで、主に胸部や腹部に多くあります。

③修復

腐敗液注入のために切開した部分やその他手術の痕等の縫合を行います。漏れ等が生じない様、細かく丁寧に縫合していきます。傷痕はテープなどで隠します。

④着衣・化粧

ご遺族よりお預かりした故人の着物や洋服を着せていきます。

遺族の要望や生前写真を参考に、その方に合った化粧を施し自然なお顔に整えます。

エンバーミングの費用

日本におけるエンバーミングの費用は、遺体の状態により金額が変動します。
基本料金はIFSA(一般社団法人 日本遺体衛生保全協会)が定めているため、どこの葬儀社に依頼をしても同じくらいの金額となります。
基本料金は15万円〜25万円とされています。

※ケガの修復や搬送料金は別料金になっている場合もありますので、葬儀社にお問い合わせください。

まとめ

エンバーミングの概要とその基本的な処置手順、役割等の基礎的なことをお伝えしましたが、日本では亡くなってから荼毘にふせるまでの時間が短いこと、火葬が主流であることから、まだ一般的ではありません。

しかし、安全や衛生の面や故人と過ごせる時間、故人が生前と同じ顔で弔問くださる方をお迎えできることで、少しずつですがエンバーミングを行う人は増えています。

 

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