お布施
お布施とは?
お布施は、僧侶に読経をしていただいたり、戒名を授与して頂いたりした際に、謝礼として金銭を渡すことです。ですが、お布施は金銭のことだけを指す言葉ではありません。見返りを求めずに施されるもの全てに当てはまるものであり、人のためにできることをするという思いの現れです。
お布施の由来
お布施ということばの由来は、インドの逸話が元になっています。ある僧侶が説法をしながら家々を回っていたところ、とある貧しい家で説法をすることになりました。説法を聞いた家の人は大変素晴らしい話を聞いたと感動しましたが、貧しいため薄汚れた布しか渡すものがありませんでした。しかし、僧侶はそれを快く受け取り、つぎはぎだらけの袈裟を作ったといいます。これが袈裟の起源であり、同時にお布施の元になったとされています。
法事法要のお布施の金額相場
法事法要のお布施金額の目安は、地域による大きな差はなく3万円~5万円、お車代は5千円~1万円程度とされており、寺院との付き合いの深さによって変わってきます。基本的にどの法事法要でも相場の金額になりますが、ケースによるお布施の金額相場をまとめました。
僧侶に読経してもらう場合
読経による法要を行う場合は、僧侶に渡すお布施の相場は3万円以上が目安と言えます。
ただし、どんな地域でも一律3万円からとは言えないため、金額に関して心配な方は読経をお願いする寺院へ料金の確認をしてみましょう。
寺院とは別の場所で法要を行う場合
業者等が手配した会場や故人の自宅で法要を行う際には、僧侶が自ら車を運転して訪問してくれた場合、5千円~1万円程度を「お車代」として包みます。
ただし、施主が送迎のタクシーで僧侶のお向かいに伺ったり、法要後もタクシーを使用して帰宅させたりするような場合は、タクシー会社の方へ料金を支払う時もあります。
僧侶がお斎(おとき)を断った場合
法要後は、僧侶や参列者をお斎と呼ばれる宴席の場へ誘導するわけですが、やむを得ない用事があって僧侶が宴席への参加を断る場合があります。そのようなときは、およそ5千円~2万円を「御膳料」として僧侶に渡します。
複数の法要を同日に行う場合
四十九日法要と同日に、開眼供養などの法要を併せて依頼する場合、別途3万円程度包むこともあります。
法事の際に戒名(かいみょう)を授与してもらう場合
葬儀の際に戒名を授与してもらわなかったのであれば、本位牌に魂入れをする四十九日法要までに戒名を授与してもらいます。葬儀と法事・法要のお布施金額に差がある理由のひとつに、この戒名料があります。
お布施の書き方
表書き
お布施には、白無地の封筒を使用します。水引は付けなくても構いません。
お布施の白無地の封筒は、二重になっているものは使わないようにします。
(二重になったものは「不幸ごとが重なる」といわれます。二重封筒は避けた方が良いでしょう。) 郵便番号の欄の無いものを選んでください。
表書きは上段・下段にわけて記載します。
上段には仏教であれば御布施」「お布施」「御経料」「御礼」「御回向料」 として、金額は記入しません。
下段には施主の姓「○○家」と記載するか、施主のフルネームを記載します。
記載する際は、僧侶に読経して頂いたことへの感謝の意を表す謝礼ですので、薄墨ではなく、通常の黒い墨を使用します。
中袋の書き方
中袋へ記載する際も薄墨ではなく、通常の黒い墨を使用します。
中袋表面には金額を明記します。金額は縦書きでかつ、旧字体を用います。例えば、三万円の場合は「参萬円」、十万円の場合は「壱拾萬円」と記載します。
中袋裏面は住所・施主の氏名を記載します。
中袋や中包みがない場合
白い封筒の表側に「御布施」と「施主のフルネーム」を書いた場合には、基本的には何も書く必要はありません。
お布施を渡す
お布施を渡すタイミング
お布施を渡すタイミングには特に決まりがなく、迷うこともあるかもしれません。一般的には、法事法要では、僧侶が読経を済ませ、その後の宴席にも参加する場合は、宴席が終了し僧侶が帰る際にお布施を渡します。なお、僧侶が法事・法要の会場から車で寺院に戻る場合は「お車代」も渡します。僧侶の読経が終わり、法要の後で宴席を設ける場合に、僧侶が宴席を辞退した時には、その際にお布施を渡し、「御膳料」と、法事・法要の会場から車で寺院に戻る場合は「お車代」も渡します。