避難所への「ペット同行」どうすれば 対応にばらつき、「断られた」報告も
大型で非常に強い台風19号で、大きな被害を受けた東日本。台風上陸の前日から避難所設置を決定したり開設する自治体も多く、また利用者も多かったようです。
いまも被災地で救助活動や復旧作業が続く中、ネット上では避難所の「ペット同行」問題をめぐり、議論が交わされています。
ダレノガレ「動物置いていくなんて選択肢ないな」
2019年10月14日朝、「中1男子」というワードがツイッターのトレンド欄に上がりました。埼玉県川越市で浸水した自宅の2階から消防ボートで救助されたという中学1年生の男子生徒が「猫を飼っているので避難できなかった」と述べたという報道(14日朝・朝日新聞デジタル)を受けてのものと考えられます。
男子生徒のケースが、避難所の受け入れ態勢によるものなのか、それとも別の原因かは現時点では不明です。
一方でネット上では、特に避難所へのペット同行について、さまざまな意見が飛び交っています。
「ペットNGの避難所も多かったようで胸が痛みます」
「ペットも一緒に避難できる場所作って欲しい」
「ダメであれば予めダメと周知して欲しかった」
「アレルギーある自分からしたら避難所に犬猫がいられるのは困るかな」
「動物が苦手な人のために、ペット不可な避難所は必要だと思う」
動物愛好家であり、ペットを飼っているモデルのダレノガレ明美さんは12日、
「避難所、動物ダメらしく…悲しい。動物は置いてきてくださいって…」
とツイートしました。翌13日の投稿で、前出の中1男子と同様に、ペットと自宅に残る選択をしたことがわかります。
「悲しいよね…動物置いていくなんて選択肢ないな…アレルギー問題やいろんな問題があるから文句言えないけど、私や家族は避難しないで家にいるのを選んじゃった」
環境省「同行避難が基本」、一方で…
ペットの同行避難については、2011年に東日本大震災で問題視されました。それを踏まえ作成された環境省の「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」によると、「災害が起こった時に飼い主はペットと同行避難することが基本である」とされています。一方で、「他の避難者への迷惑にならないように努めなければならない」とも記載されています。
避難所には動物が苦手な人や、アレルギーを持っている人もいることが想定されます。ペットの受け入れ方については、最終的には各自治体や避難所に委ねられているため、「一回家族で行ってみたもののペットNGだった」「断られました」などという報告がSNSで出ていることからもわかるように、一部で混乱を呼んでしまったようです。
一方で、さいたま市広報課の公式アカウントは12日、ツイッターでペットの同行避難を呼びかけており、飼い主から称賛を受けています。ツイートによると、ペット専用スペースを設けたようです。迎え入れにあたり、ペットのケージ、食料などを準備するように促していました。
環境省の「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」で「災害が起こった時に飼い主はペットと同行避難することが基本である」とされているのであれば、各自治体ごとの対応もマニュアル化し、「人口に応じてペット可のスペースを避難所の何%は設ける」や「猫や小型犬の場合はケージ、大型犬の場合は専用スペースを設ける」などのガイドラインも作って統一して頂きたいものです。